第28話
05:「……わりぃ、俺、耳遠くなっちまったみてえだ。
……ゆ~っくり、もっかい言ってくんねぇ……?」
☆
ずっと前から気になっていたものがあった。
俺の名前はガイ。
みんな知っていると思うけど、大の音機関好きなんだ。
この日、立ち寄ったケテルブルクで珍しい音機関を持っているという男に合った。
見せてあげるよ。と言ってくれたから。即OKしたけれど、ルーク達はあまり興味がないらしく俺だけ別行動をとり、あとで落ち合うことにしたの
だが。
『ごめん。
見つかったんだけど壊れちゃってたんだ』
すまなそうな顔でいう男に対し、
「……わりぃ、俺、耳遠くなっちまったみてえだ。
……ゆ~っくり、もっかい言ってくんねぇ……?」
ガイはこの世の終わりみたいな顔をして、男に掴み掛かりたくなった。
「え…あの、壊…」
「それ以上言うなーー!」
「えぇ?!
だ…だって、言え、ってぇ…!?」
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