第28話

05:「……わりぃ、俺、耳遠くなっちまったみてえだ。

……ゆ~っくり、もっかい言ってくんねぇ……?」



ずっと前から気になっていたものがあった。


俺の名前はガイ。


みんな知っていると思うけど、大の音機関好きなんだ。


この日、立ち寄ったケテルブルクで珍しい音機関を持っているという男に合った。


見せてあげるよ。と言ってくれたから。即OKしたけれど、ルーク達はあまり興味がないらしく俺だけ別行動をとり、あとで落ち合うことにしたの


だが。


『ごめん。

見つかったんだけど壊れちゃってたんだ』


すまなそうな顔でいう男に対し、


「……わりぃ、俺、耳遠くなっちまったみてえだ。

……ゆ~っくり、もっかい言ってくんねぇ……?」


ガイはこの世の終わりみたいな顔をして、男に掴み掛かりたくなった。


「え…あの、壊…」


「それ以上言うなーー!」


「えぇ?!

だ…だって、言え、ってぇ…!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る