第27話

04:「そういう問題か!

どうしてくれる!?」



「えへ~★

ゴメンネ~」


悪びれもなく、身をよじりながら謝るアニス。




「でも、洗えば大丈夫だよね~」


「そういう問題か!

どうしてくれる!?」


人の目など気にしもせず、町中でアッシュは怒鳴りつけた。


実はアニスが歩きながら食べていたアイスが、前方から歩いてきたアッシュにぶつかり、もちろん服が汚れた。


甘い、バニラの香り。


洗えばいいのだろうが、濡れたままでは気持ちが悪い。


「では、アッシュ…」


二人の間に立ったナタリア。彼女の手には服があった。


「先ほど戴いたものですが、よかったらこれを着てください」


「…ナタリア」



10分後。



「…ナタリア、これはなんだ?」


着終わってから言うのはなんだが、顔も隠れている服。


「ピオニー陛下から戴いたのです。

…お気に召しませんでしたか?」


『アビス・グレー』という名の、なんか恥ずかしい服。

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