第5話
04「命と誇り、どっちが大事?」
☆
「命と誇り、どっちが大事?」
剣を突き立てて、それに寄り掛かるように、なんとか立っていると、それに気づいた銀髪の女性は髪を揺らしながら、私のもとに来た。
「もう、あなたは…。
無茶をしすぎだわ」
手に持っていた杖を右腕の傷口に近づけ、詠唱をはじめる。
杖の先に付いた宝石が、キラリと光ると右腕から流れていた血がピタリと止まった。
痛みもなくなった。
「…すまない」
「みんな…旅は素人で、慣れたあなたに負担は大きいかもしれないけれど、キツい時は正直に言いなさい」
「……」
「せんせ~」
「姉さん!」
「先生!それにクラトス何やってんだよ~。
早く行こうぜ!」
遠くから私たちを呼ぶ声がした。
「今行くわ!」
それに反応したように、私から離れ呼ぶ声のもとに走って行った。
言葉はキツめだが、心配している。それはわかった。
「…ああ、わかった」
返事は聞こえなかったかもしれないが。
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