第25話




この目の前の人が現れたかったら、あのまま自分はどうなっていたのか。




考えただけで、ゾッとする。




「お前、もう、帰れ。」



「……え?」



「女の“夜遊び”は、危険だぞ?」



「……はい、」




頭を上げた私は、視線を下に落とす。



甘かった。



この場所は、光輝く綺麗さだけではなく、汚く、危険を孕んでいる事を知っていたのに。




「っっ、」



私は、自分の唇を噛み締める。




油断していたんだ。

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