第29話
真っ白な世界に、花びらが舞い現れ、色とりどりの花の絨毯が広がった。
――そして。
はじめ壁だと思っていたものには色がついていた。
『…クラウド。
やる事はもう…終わったの?』
明るめの茶、赤、ピンク色を持つ者。
それは壁などではない。
(エアリス…?)
背中合わせに立つ形となっていたクラウドとエアリス。
クラウドが意外そうに彼女の名前を呼ぶと、クスリと笑いながら、空に舞う花びらを見た。
『お花、いっぱい咲いたんだよ』
『…ああ』
真っ白な世界は、見覚えのある場所に色と形を付けていった。
オレが上から落ちてきた事で、屋根に穴が開いて花に直接日が差し込む、あの教会に。
その時よりも花はたくさん咲いていた。
『…やる事は片付けた。
しばらく、こっちにいられるよ』
答えはない。
けれど、どちらも振り向くことはなかった。
うつむくエアリス。
『そっか…終わったんだ』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます