第26話

真っ白な世界だ。


夢の中で目を開いたクラウドは、その覚めるような色を見て眩しそうに右手で遮った。


上も下も、ここが地面なのかも、それもわからない。けれどクラウドはそこに立っていた。


…ああそうか。


悟ったようにクラウドは冷静だった。


オレの『ユメ』は……無い。


そういう意味だろう?


そう思ってしまうと、身体の力が抜けて、クラウドは後方に倒れ――。



(…?)


…なかったのだ。


こつりと背中が何かに当たって、そこで止まったからだ。


壁なのか?


それにしては硬くないよな。それに冷たくない。心地よい暖かさがあるように感じた。


などと考えていた時だ。


突然舞い上がるような風が吹いて、黄色の花びらが現われた。


(!?)


白い世界に、色がついた。


植物という名の緑色の絨毯。それには黄色や白の花が咲いている。


そして、壁だと思っていたものは…。

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