第24話

「そうだな…」


エアリスの誘いを迷っていた時だ。

ガタ…と音を立てて席を立つヴィンセント。


「…私も部屋に戻る」


だが、ドリームパウダーを手に取ってはいない。


「…ヴィンセントは、見てみたくないの?」


食堂の出入口まで歩いていった彼を、エアリスは引き止めた。


「…私は…」

「…見る夢は、『悪夢』じゃないよ。

ヴィンセントが望む――」

「……」


戸惑うヴィンセントに、エアリスは諭すように言った。

そして、彼のの右手にドリームパウダーを握らせる。


「…」


答えはなく、ヴィンセントは食堂を出て行った。


でも、エアリスにとってそれでいいらしい。


「クラウドはどう?」


振り返ったエアリスの顔は笑っていた。


「……やって…みるか」


エアリスは不思議な力を持っている。


実現してくれそうな。そんな力が。


そうクラウドは感じていた。

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