第28話

「じゃあまず、この子が泉 紫音」



「初めまして。私は木内 彩です。隣に居るのが夫の智くん。よろしくね」



「・・・」



「それから、その子はスノー」



「うそ!すごい。さっきね、真っ白でまるで雪みたいって話してたの」



「名前を考えたのは紫音だよ」



「素敵な名前・・・」



「良かったね?紫音が付けた名前、誉めてくれたよ?」



紫音は俯いて返事はしないけど手で俺に返事をした



「智、彩ちゃん・・・紫音は場面緘黙症っていう病気なんだ。自分が安心出来る場所や人の前でしか話す事が出来ない。」



「うん」



「俺も病気の事は詳しく分からない。ただ、色んな原因で話す事が出来なくなったと教えて貰った」



「・・・聞いてもいいか?」



「あぁ。なんだ?」



「お前とは話すんだな?」



「あぁ。」



「徐々に打ち解けたのか?」



「いや、出逢った時からだ。紫音自身、話せた事に驚いてた」



「そうか・・・話を続けてくれ」



「あぁ。・・・俺は人と話したり出来ないのは紫音の個性だと思う。人には長所や短所があって当たり前だ。みんなが同じな筈ない。ただ、生きてく上で少しだけ人より難しい事がある。紫音はその事を分かってる。でも逃げずに歩いてる。俺はそんな紫音の味方でいたい。その為に智と彩ちゃんに力を貸して欲しい。」



「渉くん?1つ聞きたい事があるの?」

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