第27話

ガチャ



「よぉ!」



「あぁ。上がってくれ」



「渉くん、お邪魔します」



「彩ちゃん、今日はありがとう」



「ううん」



紫音は下を向いたまま



「紫音ちゃん、お家に上がらせて貰うね」



彩ちゃんは紫音が見てないのに笑顔で話し掛ける



「・・・」



「まぁ、上がってくれ」



俺は智たちをリビングへ通し、紫音と一緒に飲み物を用意するためキッチンへ



「紫音?普通でいい。紫音のままでいい。」



俺は紫音の手をギュっと握り落ち着かせる



紫音は返事はしないが握った手を少しだけ動かした



俺はその手を引き寄せ抱きしめる



震えてない。無表情でもない。昨日とは明らかに違う。俺が居る事で安心してるのか?



「紫音?スノーにもお水、あげようか?」



小さく頷いてくれた



「じゃあ・・・これにお水入れて?」



紫音はお皿を受け取って常温のお水を用意する。俺はその間に飲み物を手早く用意した



「よし、じゃあ行こうか」



紫音は一度、大きく息を吸い頷いた



リビングに行くと彩ちゃんはスノーに夢中。そんな彩ちゃんを微笑ましく見てる智



「お待たせ。彩ちゃん座って?」



「あっ・・・うん」



彩ちゃんが智の隣に座り俺たちは向かいに座った

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