生?

@Toyo67im26

僕はずっと死にたかった。今も。生まれてきた意味が分からないから。

始まりは、小学4年生。信頼できる友達だと思っていた、そんな存在に簡単に裏切られて濡れ衣を着せられた記憶だ。彼は誰にでも愛想がよくみんなに好かれていた、何も力のない僕にも優しくしてくれていた、そんな彼も一人の人間でうその一つや二つぐらいつく、分かっていた。それが人間だから。


クラスレクの時間で僕は鬼で彼を追いかけていた、だが彼はいつも捕まる寸前にわざと自らコケてセーフになろうという卑怯な男だった。知ってはいたが案の定、自らコケた、僕はいつものことで心配はしていないが気にかけてあげる程度の言葉をかけ、別の人を追いかけた。レクが終わり体育館の中央にみんながあつまる、そこで

「こいつ、捕まえる時に押したの謝ってないぞ」と

僕は一瞬、何を言っているか解らなかった。何も身に覚えがないからだ。だがクラスでもうまくやっている奴の言葉だみんなが信じた。

教室に戻るとクラスメイトの視線が僕に集まるのが分かった。自席につくと、表面上の正義感を持ったクラスの女子がその一人を筆頭に複数人で僕に近づいてきた。「N君に謝ってないでしょ」と僕に対して発する。その言葉はすごく自信に満ち溢れていて、まるでヒーローが悪役に対して放つ決め台詞のように聞こえた。

クラスのお調子者担当が、「あーやまれ、あーやまれ」と手拍子をしながら僕を煽っていた、それはたちまちほかの生徒にも汚染していき、教室に「あーやまれ」のコールが充満していた。吐き気がした。今でもその時の音と景色が鮮明に焼き付いている。人間は聞いた情報一つで何の信憑性のない情報でもここまで馬鹿になれるのかと、僕は人間の愚かさと弱さを知った。

だが何よりも気持ちが悪かったのは、自分自身だった。結局僕はN君に謝ってしまった。何も悪いことをしていないのに簡単に謝れてしまった。怖かった。この人間の生体を受け入れたくなかった、どうでもいいからこの現実から目を逸らしたかったのだ。その時に気付けなかったが、僕は僕自身を殺して誰かの人生の思い通りに生きてしまった事に。

その一件から僕は人を信じることが怖くなった、人間なんかろくでもないゴミだと本気で心の底からで思っていた。

それは中・高は勿論、21歳になった今でも人生の足枷となっている。誰も信じれないで顔色を伺いながら生きるそんな時間を過ごしてきた、苦痛でしかなかった。

自分が本当にしたいことに気付いていながらも、その人等から視線を浴びないように生きていくことに精一杯だった。ずっと自分を殺し続けて生きていく、これが僕の一生の定めだと。


死にたい、この気持ちに嘘偽りわない。だが、消えたい と言う言葉の方が正解なんだけど、面識のある人の記憶を消せるわけでもないし、この瞬間今に僕以外の人類が消滅するなんてことありえないし。いくつ先は『死』だった。

こんな自分でも親や一部の友人から愛されることを知ってしまったから、簡単に死ねないのだ、僕が死んでしまえばきっと愛してくれた人は悲しい気持ちになるだろう。そんな分かり切ったことを知っておきながら、死ねるわけがない。僕だけ死んで都合よく、親?友人?なんそれ?ってできなかった。今もずっと、死にたいと愛されていたいのせめぎ合いが起きてる。

生まれてきた意味がずっと解らないでいた、これを書いたのも自分の気持ちを抑制させるための、自己満足でしかなかった。でも少しもう少し僕は、誰かを愛し愛されていたい。この世に生まれてきた理由なんて、こんな単純でちょっと複雑なそんな絡まった糸を解いていく生き方でもいいのかもな。

どんな自己啓発本を読んで自分が強くなったと錯覚しては結局いつも、活かしきれずに自分を殺してきていたけど、まずは騙されていてもいいから、本気で人を信じてみようと思う。もう少し生きてみるか。文字に書き起こすと自分の心を整理させることができて、良いですね。思い出したくない過去もきっと今を生きる自分に何らかの形で経験として生きることがあると信じてもう少しだけこの世界に希望を抱きながら生きていこうと思う。

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