第197話
「そう…?
あ、波流ちゃん弟がいるんだね」
一人っ子かと思ってた
くすくすといつものように楽しそうに笑った
゛ 苦しそう ゛
そこには触れてくれないんだね
「居るよ
自分のことよりもあたしのことを考えてくれて
いつも笑ってて何も教えてくんないの
そんな弟に裕は似てる」
見た目や大人っぽさは全然違うのに
性格とか言ってることがどこか少し似てる気がした
いつだったか分からない会話を思い出す
ケガの手当てをしていた時何気なく聞いた言葉
゛何を優先で行動してる ゛
不安でたまらなかった
あたしの代わりに傷ついて帰ってくる颯良のことが
それで聞いただけだった
返ってきた返事はすごくばかばかしくって愛しかった
゛いつだって俺は、波流を優先するよ
その次に仲間・・・かな?
だってあいつら殺しても死なねぇんだもん
え?俺は・・・って?
んー考えたことねぇなぁ
まぁ、俺のことなんかどうでもいいよ
波流が大事 ゛
いつだってそう笑った
だからあの時もあたしの代わりに傷ついてくれたんだね
大丈夫
もう間違えないから
「あのさ」
「なぁに?」
優しい返事が返ってくる
それから、少し静かな空気が流れた
頭の中で考えてもいい言葉は思い浮かばない
でもあたしはあたしなりに伝えるよ
今までそうしてきたように
「裕の本音が聞きたい
1人で抱え込まなくていいんだから」
「本音?」
「うん、本音
今じゃなくてもいいから
何時でもいいから、
それに、あたしだけ何も出来ないのは嫌なんだけど」
「べつに何も出来て無いわけじゃないんだけどなぁ
んー…じゃあ、さ
波流ちゃんは何も出来なくて後悔したことある?」
「うん。
多分、裕が想像してるよりも沢山後悔してきたよ」
波流ちゃんはすごいね
そう小さく笑ってた
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