第30話

琥珀は車で燈馬を迎えに来た。燈馬が車に乗ると笑顔でコーヒーを手渡した。


「じゃあ行きますね。少し遠いですが、景色が綺麗でのんびりできますよ。


燈馬さんもゆっくり休んで下さい。優芽さんも燈馬先生が来たら喜びますね。」


「琥珀さん、優芽さんは大丈夫ですか。何か悩みを抱えているのは知っています。」


「今は落ち着いています。でも優芽さんは今

自分が何をしたいのかわかっていない。


燈馬先生、優芽さんとゆっくり話してみて下さい。2人ならきっと答えが見つかるはずです。


その前に2人に僕の話を聞いて欲しいんです。」


「琥珀さんも何かあったのですか。僕にできる事があれば何でも言って下さい。」


「昔話です。今はもう大丈夫です。でも優芽さんにとって、僕の話が辛いかもしれません。


燈馬先生の支えが必要になると思います。」


燈馬は琥珀の気持ちがわからなくなっていた。

琥珀も優芽の事が好きなのだと思っていたが。


「琥珀さん1つ聞いても良いですか。琥珀さんは優芽さんを大切に思っているのに、なぜ僕に優芽さんを託すような事をするのですか。」

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