NO.10

第28話

燈馬は訳もなく不安になっていた。また大切だと思えた人を失うのだろうか。


優芽の事を考えると、心配で愛おしくて胸が苦しくなる。早く優芽に会って思い切り抱きしめたい。


何度目かのため息を着いていた時、燈馬のスマホがなった。


「はい、睦月です。」


「燈馬先生ですか。長内です。先日は失礼しました。今お時間よろしいでしょうか。」


「こちらこそすみませんでした。ご連絡ありがとうございます。優芽さんは大丈夫ですか。」


「哉芽から聞きましたか?優芽さんに休んで欲しくて連れ出しました。今は落ち着いて、ゆっくりしています。」


「はい聞いてます。落ち着いているなら安心しました。何か悩んでいたようなので。


琥珀さんありがとうございます。僕には彼女を救えなかった。」



「燈馬先生。僕には優芽さんを救えません。ただ逃げる場所を用意しただけです。


彼女はまだ救われていない。彼女を本当に救えるのは多分燈馬先生だけです。」

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