NO.2

第4話

睦月燈馬(むつきとうま)は診察室から哉芽の部屋へ向かっていた。


従姉であり患者である睦月茉白(むつきましろ)がいるからだ。


「茉白、入るよ。あれ?哉芽君もう帰ってるのか最近早いね。」


哉芽と茉白は燈馬がスーツを着ているのに驚いていた。


いつもラフな格好に白衣を羽織っているからスーツ姿の燈馬は珍しい。


「燈馬君どうしたの?久しぶりに素敵な姿見れて嬉しい。誰かとデート?」


「茉白。スーツなら毎日僕が見せてるでしょ。僕じゃ駄目なの?妬いちゃうな。」


燈馬は二人のイチャイチャに呆れながら言った


「ハイハイ。ご馳走様です。これから大学の先輩と会食でね。色気なんかないよ。


哉芽君がいるなら安心して行くね。もし何かあれば直ぐに連絡して。


電話は取れるようにしておくから。気圧も大丈夫そうだし。」


哉芽は茉白の身体を優しく抱きながら燈馬に微笑んだ。


「茉白は僕が見てます。燈馬さんもたまにはゆっくりして下さい。いつも茉白の為にありがとうございます。」


「そうよ。燈馬君もたまには楽しんで。大人しくしてるから。安心して。」


二人の姿を微笑ましく感じて燈馬は不思議な気持ちになった。


「じゃあ行くね。お邪魔しました。」


燈馬の言葉に茉白は顔を赤くした。哉芽は嬉しそうな笑顔を見せて手を振っていた。

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