第33話

「えっと、少しお邪魔していいかな?」


「はい…」


何故か急に竜ちゃんの隣に座る彼女。


「あ、そうだ!こないだ探して本見つけといたよ」


「ありがとうございます」


竜ちゃんは本を受け取って中をパラパラと見てた。


美容師関係の本なんだろう。


「あ、私。

竜介くんと同じサロンで働いてるアシスタントの飛鳥です。よろしくね」


「よ、よろしくお願いします」


ほらやっぱり竜ちゃんと同じ夢を持った人じゃん。


「この学校が私もオススメだよ」


何でわざわざ私たちがいるのにそういう話してくるのかな…。


「帰ろ」


工藤くんがボソッと言って、私の手を握って立ち上がる。


「俺たちちょっと用事あるので先に帰る。

あ、花咲はちゃんと送るので」


「え…」


「行くぞ」


私の手を引いてお店から出ていく。

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