第30話

「ちがっ…よく似た人…」


「え、どっち」


「だから、本人だって」


俺は帽子と眼鏡を外す。


「ちょっ、こんな街中で堂々と…」


「こんな人混みじゃわかんねーって」


「とりあえずどっかの店入る?」


幼なじみに言われ、近くのカフェに3人で入り、

めちゃまじまじと俺を見てくる。


「えっと…何か?」


「俺芸能人って初めて見たから。

本当に綺麗な顔してて」


「あ、どうも…」


俺の事がバレて何かいろいろ考えてる花咲。

それに対して俺に興味津々の幼なじみ。


「いつから2人はこういう関係になったの?」


「こういう関係って…」

「数週間前にロケであのショッピングモールに行ってから。」


「ん?付き合ってる?」


「違う!!」

「今後そうなる予定」


花咲は俺を睨みつける。


「つまり、工藤くんが菜穂のことを」


「好きだ」


「ちょっと、やめてよ!

こんな外で恥ずかしい…」


花咲は立ち上がって化粧室の方へ歩いていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る