第26話

バイトを終えて竜ちゃんと合流点をする。


「お待たせー」


「おー、お疲れ様」


美容師学校のカタログを見ていたらしく、私が来ると閉じてカバンにしまう。


「卒業してからのこと、決めたの?」


「まぁな」


あと少し。こうやって一緒にいられるのも。

学校に一緒に行くのも。


私が、同い年だったら何か違ったのかな?


年下ってやっぱりダメなのかな?


スカートの裾をギュッと握りしめる。


「菜穂?」


年下はダメなの?

幼なじみはダメなの?


「竜ちゃん、好きになったらダメかな?」


「良いんじゃないの?さっきの人?」


「へ…?」


「頑張れよ」


竜ちゃんに頭を撫でられた。


つい勢いで言っちゃったけど、これではっきりわかった。

竜ちゃんはやっぱり、私を幼なじみでしか見てないこと。


「うん、ありがとう!

頑張る」


作り笑いも得意になるよ。

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