第29話
「柊くん、お待たせー…何話してたの?」
まつりからチケットを受け取った紬は、千秋と莉多の元へと来ると空気が悪いことを察する。
「普通に挨拶してただけだよ
ですよね?」
ニコニコと圧のある笑顔で莉多に問う千秋と頷く莉多。
「そう?」
「じゃあ嶋津くん、このまま俺は山本さんと一緒に回るので彼女さんと回ってください」
千秋は紬の手を引いてゲートへと入っていく。
「ただいまー…」
トイレから戻ってきたまつりは、1人残された莉多とゲートへと行く2人を交互に見る。
「どうしたの?莉多」
「いや、2人で行きたいって」
「えっ!?そうなの?じゃあ紬の恋叶のかなー」
「俺、たぶんあの人に嫌われてる」
「なんで?」
「何となく…」
莉多は、さっき千秋に言われた"中途半端な優しさ"という言葉が頭に残っていた。
まつりは、莉多の手を握って「私達も行こう」と言ってゆっくり歩き出す。
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