第33話
「うー…」
私は今、夕飯の支度をしながら桜井さんを待っている。
昼間のアリサさんの存在も気になってしまうのが事実だし、あの後全然桜井さん部署にも居なくて忙しそうだったし…。
暫くすると、ガチャっと玄関の方で音が聞こえ帰ってきたと安心する。
「ただいまー。お、いい匂い。
今日はカレーか」
「おかえりなさい…。
お風呂も掃除終わってるので先に入ってきても」
一瞬だけ桜井さんの方を見てすぐに逸らす。
「…何かあった?」
「へ!?何でですか?」
「いや、こっち見ないし目を逸らすし」
「そんな事ないですよ。何もないですし」
私がそう答えると桜井さんが隣に来て私の顔を自分の方に向かせる。
「ちょっ、料理中なんですけど…」
「良いからこっち見て。
俺、何かした?」
いつもと違って少し余裕のなさそうな悲しそうな顔。そんな顔を見たら、答えるしかないじゃん。
「アリサ、さんって誰ですか?」
「はっ?」
いや、まぁそういう反応ですよね。
契約彼女が何を聞いているんだって感じ…
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