第29話
「ふーん。良いじゃん別に。
カッコイイし、仕事できるし優良物件でしょ?」
「そんな言い方しなくても…。
それに婚約者さんいるし」
「それを断りたくて茉佑に頼んだんでしょ?恋人のフリ。
何とも思ってない子を選ぶかな?」
聡美の言葉で少しだけ、パァっと視界がクリアになった気がした。
「やっぱり聡美もそう思う!?私もそれは考えていたことで…」
聡美が私の横を見て固まるので私も恐る恐る横を見ると、桜井さんが立っていた。
「桜井さん!?」
驚きすぎて思わず立ち上がるとそんな私に驚いた桜井さんは一歩後ずさる。
「そんな驚かすつもりはなかったんだけど。
久保、悪いが30分会議早まった」
「え!?そうなんですか!」
私はお弁当箱を急いで片付ける。
「悪い。会議終わったら残りの休憩分休んでいいから」
「はい!あ、いえ全然大丈夫ですよ!
聡美、ごめん!また今度」
「うん、お疲れー…」
嵐のように去っていく私と桜井さんを見て、ヒラヒラと手を振る聡美。
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