第28話

「あー…実は」


私は聡美に今の現状を話すと、聡美は驚いた顔をして、


「えっ!?桜…っ」


「しーしー!」


大声出す聡美の前に人差し指を置く。


「ごめんー。驚いちゃって」


「まぁ、そうだよね」


「時給制の恋人とかって、何か漫画みたいだね」


聡美は他人事だからか、楽しそうに笑っているが、私は聡美をじっと怒りながら見る。


「そういうのって大体お互い好きになっていくやつだよね?漫画だと」


「漫画の世界の話でしょ」


モグモグとご飯を口に入れる。


「…好きにならない?」


「え?」


「だって職場で見ていた時とプライベートって違うでしょ?そういう違う一面を見た時ってドキドキしたりしないの?」


ドキドキとかって、25歳越えている私にはもうないと思ってたけど。


「なるほどー、するんだ」


1人で納得したように頷く聡美に否定しようとしたけど、ドキドキしてしまう事があるのは事実だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る