2.背中合わせの

第27話

「あー…終わらない」


時計を見るとお昼休みの時間が過ぎている。

これから会議だし、ここでご飯取らないと…

でも見積書の整理が終わらない。


パソコンと1人で睨めっこしながらキーボードを打つ。


その手をそっと誰かによって止められる。


「桜井さん!!」


「久保、休憩はしっかり取れ」


「でも、この見積書次の会議で使う予定なので」


「俺はもう昼飯先にとったから代わる。

だから昼行ってこい」


見積書が書いてあるExcelを上書き保存し、自分の席で再び見積書を開いて作業する桜井さん。


「早く行ってこい!」


「は、はい!」


申し訳無い気持ちとお腹の空いた音が戦いつつも、食への欲望に勝てずお弁当を持って社員休憩室に行く。


「茉佑!」


「聡美、久しぶりー」


古賀聡美は、私と同じ高校出身の同期で営業部の私とは違い人事部で働いている為、中々会うことはない。


「相変わらず美味しそうなお弁当だこと」


「聡美は相変わらずのコンビニ弁当」


「美味しいからいいの!

あ、そういえば一昨日茉佑の家に行ったんだけど大家さんが丁度いてさ、引っ越したって聞いたんだけど今どこにいるの?お金ないって言ってなかった?」

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