第15話

そう言ってムハマドは執事に部屋のドアを開けさせた。



ドアの向こうにはイブニングドレスのストロベリーブロンドの髪の女が。



「ロスで気に入ってね。運命っていう名前もいいじゃないか。

このホテルで歌ってもらうようにショーパブから引き抜いてきたんだ」




「久しぶりね泰生」




「…デスティニー!」



まさかこんな所で出逢えるなんて。




私は言葉を失ってしまった。




「Mr.ムハマドが日本びいきだっていうからわたしが日本人の知り合いが一人いるって言ったら、

あなたの名前がMr.ムハマドから出るんだもの。驚いたわ」




ムハマドは笑顔を見せていた。



こんな一大ショーを用意されていたとは。





「ねぇ泰生。

わたしたち二人の物語はまだはじまったばかり。

そう思わない?」






conclusion.

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