第7話
女というものはこうも陰湿なのか。
スポットライトを浴びて足並みを揃えて踊っていた時は夜空の星のように輝いていたというのに。
「実力がないやつは、ありもしない理由をつけて実力のあるやつを貶めてるつもりになってりゃいいんだわ」
彼女たちの囲む女が言った。
私は思わず目を瞑った。
この後の女がどうなるか想像できたからだ。
女は先ほどのスポットライトから一転、
ゴミ箱の中身を浴びていた。
さらにありったけの嘲笑を浴びせて、踊り子の彼女たちは去っていった。
「見たわね」
ギクリとした。
女がこちらを見ている。
「狡いわね。か弱い女がリンチ受けてるっていうのに高見の見物なんて」
女はゴミ葛と青アザのある顔で不敵に笑っていた。
言葉とは裏腹に彼女にはか弱さなど微塵もないようだった。
あの時は彼女以上に輝いているものなどないと思った。
スポットライトの下の歌い手より、
ゴミにまみれても高貴に笑う彼女に私は確かに惹かれていた。
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