第4話
だが、
高校に上がるともなると特別視されていた私にも数年来の友人ができていた。
気のおけない仲だと思っていた。
しかし、
やはり世界が違っていたのだろう。
彼は、
いつもリムジンの迎えが来たり、弁当が三ツ星レストランのフレンチだったりする私に言ったのだ。
─君はひとを貶める─
いつ私が彼を裏切ったのだ!?
幾度か問いただして、彼が最後に言ったのは、
─君の存在自体が私を苦しめる。なぜ学力も体力も同じなのに、こうも選べる未来が違うのだ!─
彼は家の経済的な事情により、懇願していた大学に進学することを断念した。
その時の私と言えば、
大学に進学することが約束されているようなものだった。
大学への推薦、経済的な余裕…
─君と一緒にいると自分が情けなくなる。
今まで数年間君と共に過ごしてきたが、
自分の中に君という存在への遠き者への羨望と汚泥のような嫉妬の心をみつけてしまった時、
君の側に居続ける自信がなくなった─
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