第16話

SIDE 柾

俺にとって兄貴を守るのは俺の役目と決めつけてる。

俺も兄貴にたくさん守ってもらってたから。

それに俺にとってタツキちゃんは妹みたいなもんだ。

兄貴が惚れこんでるって感じた俺。どうやら俺の図星だったってことか。

俺が行くとお嬢様が聞いてくる。

「あのマサキ様女なんなんです。あの程度なら私だって」

ああー今日お連れした方ですか。あれは情報屋のマツの娘です。それにうちの兄貴はあなた方みたいな上から目線で人を傷つけたりする人が大嫌いなんです。傷つけるおつもりなら、兄貴も私もただでおきませんので、覚悟しておいてくださいね。まだ何かありますか?」

「いえありません」と悔しそうにいう女たち。この瞬間、勝敗はついた。もうこれで逆らえないだろうと思った俺はその場から引き、車に戻って兄貴に報告した。

すると「マサキさん、ありがとうございます」とタツキちゃんがお礼を言う。

俺は、「お礼言われることなにもしてません。俺はただ兄貴に従っただけですよ」という。

「おい、帰ったらハンバーグ作れタツキ、俺とマサキの分」

そういうと、「はい」とタツキちゃんが笑顔で返事をした。

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