第31話

「姫、お飲み物は何にしますか?」


「飲み物……?」


 カルナさんはメニュー表を見ながら、わたしに聞いてくれる。


「はい、紅茶とコーヒーと……。後オレンジジュースや桃のジュースなどがありますが、何にしますか?」


 そう聞かれたわたしは「じゃあ……桃ジュースを、お願いします」と答えた。


「桃ジュースですね。ちょっと待っててください」


「ありがとうございます」


 カルナさんは桃ジュースの入ったコップとコーヒーの入ったコップを二つ持ってくると「お待たせしました、姫。桃ジュースです」と、そのコップをわたしに手渡してくれた。 


「ありがとうございます」


 コップを受け取ったわたしは、桃ジュースを一口飲んでみる。


「美味しいです。桃がジューシーで甘いです」


「そうですか。良かったです」

  

 嬉しそうに微笑むカルナさんと、わたしはお昼ご飯を食べながら色々なお話をした。

 カルナさんは時々相槌を打ちながら、わたしの話を真剣に聞いてくれた。




 カルナさんとのお出かけを終えて屋敷に戻ったのは、夕方頃であった。

 カルナさんはわたしが屋敷に入るまで、見送ってくれたのだった。

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