第30話
「あ、見てた?うわ、なっちゃん顔真っ赤」
私の背中が、ルイの体と密着しているから。
「それも、やめてくれない?」
「それ?どれ?」
「俺の‘奈都’だから。気安く呼ばないで」
「ああ、ごめんねー」
「ね、奈都。奈都は俺のだもんね」
笑顔のルイが、視線を私に下ろしながら私に言ってくる。
奈都は、俺の。
私は、ルイの。
その質問にコクコクと頷く私に、ルイはすごく満足そうだった。
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