第28話

早く帰ってと、声を出そうした時、「―――何してるの」と、やけに低い声が私の耳に届く。



はっとしてヒカルから後ろに振り返れば、私の大好きな人がいて。



「る、」


「―――何してるの?」



ルイくん、と呼ぼうとしたのに、少し目を細めていたルイの表情が、いつものように笑っている顔ではなく。



その顔に違和感を覚えたけど、ルイが大好きな私は笑って答える。




「ルイくんのこと待ってた」



ルイは私の返事に「そう」と、少しだけ笑った後、今度はヒカルに目を向ける。





「ヒカルは、―――何してるの?」




その声は、やけに冷たかった。

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