第31話
お腹をさする水口を眺めながら私がそんな余計なことを考えていると、
「水口先生、」
担任を呼ぶ声がしてそちらに目をやれば、そこには学年主任が立ってこちらを見ていた。
「応接室空いたんで、そっち使いましょう」
「あ、はい!」
水口は大きな声で返事をするとすぐに立ち上がった。
やっと終わった…
「じゃあ私はこれで」
私がそう言ってその場を離れようとすると、水口は慌てたように私の手を掴んだ。
「待って!エリカさんも一緒に行くんだよ!」
「えっ?私?」
「うん!応接室!行こうね」
もう一度学年主任の方を見ると、もうそこに学年主任の姿はなかった。
学年主任が私に何の用…?
私が黙っていると、水口はさっさと私の手を引いて職員室を出た。
応接室は職員室の隣に位置していて、水口はコンコンッと軽くノックをするとその部屋の戸を開けた。
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