第34話
天気が悪いと言っても、実際は四六時中雨ばかりというわけではなかった。
今にも降り出しそうだけど一応雨は降っていない日だとか、夜中はしきりに雨が降っていたみたいだけど朝一には雨は上がっている日だとか…
そんな日は何度もベランダから目の前の土手沿いを確認してみたけれど、そこにいつもの彼の姿はなかった。
雨が降っていたせいで地面が濡れていて座れないから、だからいつものその場所にいないのかな。
仮に座れたとしても雨が降り出すと濡れてしまうし、何よりいつも触っているパソコンが濡れてしまっては困る。
だからきっと彼は橋の下から出てきていないだけだ。
でももしかすると、もうそこに彼はいないのかもしれない。
ついにその日がやってきてしまったのかな。
彼がそこからいなくなる、その日が…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます