第34話

天気が悪いと言っても、実際は四六時中雨ばかりというわけではなかった。


今にも降り出しそうだけど一応雨は降っていない日だとか、夜中はしきりに雨が降っていたみたいだけど朝一には雨は上がっている日だとか…



そんな日は何度もベランダから目の前の土手沿いを確認してみたけれど、そこにいつもの彼の姿はなかった。



雨が降っていたせいで地面が濡れていて座れないから、だからいつものその場所にいないのかな。


仮に座れたとしても雨が降り出すと濡れてしまうし、何よりいつも触っているパソコンが濡れてしまっては困る。



だからきっと彼は橋の下から出てきていないだけだ。























でももしかすると、もうそこに彼はいないのかもしれない。




ついにその日がやってきてしまったのかな。






彼がそこからいなくなる、その日が…

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