第31話
大人しくなった私を見るとにやつき、また手を引っ張られて中に連れ込まれそうになった。
いきなり左腕を引っ張られてその先を見ると
「さか・・き?」
私を睨む榊はいつもに増して気だるげで、面倒くさそうな顔をしている。
「すいませんね、うちのお嬢様本当に馬鹿なので。どうせ、自分から付いていったんでしょうけど、この人門限は21時なので、もう過ぎてるんですよ。」
「は?何言ってんだよ。意味わかんねえこと言ってんじゃねえよ。」
男の人は榊に殴りかかったが、その手を榊はつかみひねり上げた。
私をつかんでいた手を離すと、一発殴り相手はすぐに倒れた。
「榊、なんでこんなとこにいるの」
「ほら、帰るぞ馬鹿お嬢様」
さっき見た正樹さんみたいに優しく手を差し伸べてくれるのではなく、私をお米のように担ぎ上げた。
「ちょっと、下ろしてよ!恥ずかしいんだけど」
「門限の時間までわからなくなったお嬢様に対するお仕置きです。存分に恥ずかしい思いをしろ。このクソガキが。」
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