第29話

おおおおっと、これはやばいぞ。




流歌が帰ってしまった今、私はどうしたらいいんだ?




やばいなあ・・と思っていると




「沙妃ちゃん、流歌ちゃん帰っちゃったし、つまんないでしょ?俺と一緒に抜けようか。送ってくよ。」




お!!


良かった。帰れそう!




隣に座っていた名前すら憶えていない男の人の提案に乗った。




「はい!帰りたいです。」



そう言うと、私の手をつなぎ



「俺ら帰るから。」



とほかの人に伝えた。



みんなは「ヒュー」っというけど、意味が分からなくて首を傾げた。




つながれた手を見ながら、汗ばんでて気持ち悪いな~。はやく手話してくれないかな・・・と思ったけど、なかなか離してくれない。




そんなに手をつなぐのが好きなのか・・・




と思いながらついていくと、いつの間にかネオンが光る少し不気味な場所に来ていた。




「あの、駅の場所教えてもらえますか?」




「ああ、大丈夫。まだ時間あるし。こっちこっち。」

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