第7話

『……………黒目の君』





誰か、私をよんだ?



黒目の君?



私は何かの異変に気づいたら辺りは変わらない日常。




「…………」




静かに、5月の緩やかな風が吹き抜けた。




「気の、せい?」




誰かの優しい声。



高くて音色のような優しい声だった。



声の主は誰なんだろう?




「………。結。結!!」




誰かに名前を呼ばれ身体が強ばった。




「へっ!?」




ビックリで身体が踊るように弾ける。




「結。大丈夫か?朝からバカだなあー」




彼が私をバカにする台詞が気に食わない。




「なによっ!彪斗(あやと)のくせに生意気よ~!!」




彼の両頬を強くつねる。

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