第29話

男の人のお家に泊まるなんて……






ドキドキッ………………なんて。


そんな感情全くわかない。だってももちゃんだもの。ももちゃんなんて兄みたいなものだし。





いや、こんな兄は嫌だけども。





脱衣所で服を脱ぎ、お風呂に入る。ももちゃんは綺麗好きだから部屋の中はとても綺麗。




お風呂もきっちり色々なものが並んでいる。






「ももちゃんは、相変わらずマメだなぁ…………」多分シャンプーとか、日用品を切らさないタイプだ。





お風呂から上がりスキンケアを済ませると、キッチンからいい香りがしてきた。




「ももちゃん何作ったの?」



キッチンを、覗き込むと「髪の毛乾かしてこいよ。……その位もできないのか?」と怒られた。





「自然乾燥派。…面倒だもん」そう言うと睨まれたから私はそそくさと脱衣所に戻って髪の毛を乾かした。




乾かし終えて、リビングに行くと机にはチャーハンが置いてある。




「おー!チャーハン!……私チャーハン好き」と言うと「知ってる」と言われた。





ラーメンよりチャーハン派の、私はラーメン屋に行ってもチャーハンを頼むタイプの、変わっている人間だ。






「ももちゃん料理も上手だね…流石。」




非の打ち所は性格だけだよ。






「食ったら、復習しておけよ。……しばらく学校休んでたから遅れてるだろ。……わかんないとこあったら後で教えるから。」





おぉ…そうだ…………前よりちゃんとやらないと……




怒られるよ。





ももちゃんは勉強に、厳しい男だ。

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