第4話

「ほら。今がチャンスだよ翔子!!」



ポンと麗に背中を押される。



「へ??」


「明日急に呼び出しても慶太くんがびっくりするだけでしょ?何なら今のうちにセッティングした方がよくない?」



たしかに麗の言う通りかも。




「あ、ごめん。三ツ矢さん」



たまたま通りかかった慶太くんと肩をぶつけ合う。


肩が触れ合っただけで心臓の鼓動が鳴り止まない。


慶太くんにこのドキドキが伝わってしまいそう。



言わなくちゃ。慶太くんに伝えなきゃ。



「慶太くんっ!」


「ん?」


「あ、あ、あ、明日!!卒業式だねっ」




慶太くんの表情が緩む。



「三ツ矢さん噛みすぎ…ふふ」



慶太くんの可愛い無邪気な笑顔にときめく。



「そうだね。三ツ矢さんに会えるのは明日で最後なのは寂しいな」

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