第3話

「ずっと好きだったんだもんね。翔子にしてはすごい決断したじゃん」


「……うん。慶太くん。男子校に行くでしょ?もう簡単に会えなくなっちゃうから……きっと後悔しちゃうと思わない?」


「………そ、だね。頑張れ翔子」



私は明日の卒業式、気持ちを伝える。


中学に入ってずっと好きだった男の子に。


新井慶太くん。


かっこよくて、誰にでも気さくに話しかけてくれる優しい人。


そんな彼だから女の子のライバルは当然たくさんいる。


今までたくさんの女の子に告白されてきたことだろう。


けれど噂によると、全部告白を断っているらしい。


好きな人がいるらしい。


私もそれなりにショックだったけど、憧れの慶太くんと付き合えるなんて思っていない。


ただ、気持ちを伝えたいだけ。


慶太くんに私の気持ちを知って欲しいだけ。

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