綻び

第30話

あれから1ヶ月が経った。





京都を出てからは大阪や沖縄、北海道と観光名所のようなところを転々とした。





「りゅう、お風呂どーぞ。」私がお風呂から出ると「了解」と彼は脱衣所に入って行った。




ソファに座ってぼーっとしているとスマホの画面が光った。




プライベート用の携帯だ。




たまたま見えてしまったLINEには見慣れない女の人の名前があった。





「まりあ……」誰だろう。そう思いながら見ていると着信がなった。びっくりしたけど、流石に取るわけにはいかない。さっきのまりあって人だ。





興味本位だった。





何となく電話にでた。





応答はせずに取るだけ取ってみた。





『りゅうくん?』と、とても可愛らしい声で聞いてきた。





『ねぇ、いつ帰ってくるの?ずっと待ってるからね。』彼女は電話越しに泣いていた。

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