第30話

「これ、痛かった? それとも苦しかった?」


ベットの上で座る煌に私の言葉は無視され、煌の指先がさっきと同じように、仁に掴まれ出来たであろう痕をなぞる。


まるで、私ではなく、その傷に興味がある様子で。

源の女よりも。



「どっち?」


どっち?



「く、るしかった⋯です⋯」


素直に答えた私は、煌という人物に心を開きかけているからなのか。



「そう」




じっと、見下ろす私の首元。


なに?

なんなの⋯?


おかしい⋯、この男は、何かがおかしい。



その違和感は、何?

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