第29話

「それが?」


「え?」


「世那の勘違いだとしても、どうでもいいし」



どうでもいいって何?


よく分からない返答に困っている私の腕を掴みながら、強引に私を立たせて。そのまま煌は、その部屋にある奥の方へと足を進ませ、私をベットの上へと連れていき。


テレビもあれば、冷蔵庫もある広い部屋。

まるで誰かが住んでいてもおかしくはない。




「あ、あの⋯」


「⋯源の女とか、興味ねぇよ」



関係ない?


なら。



「か、帰してください⋯っ、ここから出してくださいっ」



私は必死に懇願した。

この人なら、助けてくれるかもしれない。煌は世那みたいに悪魔じゃないと。

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