報せ

第7話

定時で上がろうとした時、上司の皆川さんに呼び止められた。



「一ノ瀬さんちょっといいかな?」


「はい」



私の旧姓は一ノ瀬。


昔、夫も同じ職場で働いていた為、旧姓で仕事を続けていた。



「話ってなんでしょうか」


「実は来週から新しく赴任してくる人員が来てね」


「そうなんですか」



ずれた時期に赴任とは珍しい。


赴任してくる人もさぞ大変だろうと、他人事に思っていた。



「それで君に教育係をお願いしたくてね」


「教育係ですか…」



何ともめんどくさいことを頼まれたことだ。

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