第25話

いつも洋とは駅で待ち合わせだ。





と、いっても時間を合わせているわけではなくて、電車の時間が同じで鉢合わせることが多かったからいつの間にか一緒に行くようになった。





「何ともなかった?」洋に聞かれ、私は頷いた。





「そっか。よかった」洋は安堵の表情を浮かべた。




学校に着き、いつも通り下駄箱で別れようと手を振ろうと思ったら、洋はそのまま私の教室まで付いてきた。





「もっと早く気付くべきだった。ごめんな。」





私の汚れた上靴を見てそう言った。





「ううん、隠してたし。洋……教室まで付いてきて何するつもり?」





「本当はだいぶ汚いやり方だけど、ごめんな。」洋はそれだけ言った。





教室に入ると、私の机の上には花が置いてあった。





ついに死人扱いか…机には大量の落書き。いじめとすぐにわかる状況だった。





いつもなら私の顔を見てニヤニヤする香織ちゃんを中心とするクラスのメンバーも洋の顔を見て固まった。

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