第28話

「みんな、バカにしてるんだろ。お前らも。俺の作品を!」





「してないよ。お父さん。落ち着いて。」




宥めようとしても、「うるさい!」そう言われて近くにあった花瓶を、投げつけられた。




父が投げた花瓶は近くにあった机にぶつかると一瞬で割れた。




中に入っていた水は出ていて、花は散らばっている。




破片が飛びちって、私の足に刺さった。




「いっ…」




そういうと、父は私に駆け寄り「大丈夫か、凛々花!」と聞いてきた。





父がこうなるのは、今に始まったことではない。





お母さんが家を出て、少ししてからたまにこのように異常な状態になる。




直接、傷つけられることはないけど、暴言を言われたりする。





いい終わると父は必ず私たちに謝るのだ。





「ごめん、こんな父親で、ごめん。」




いつもそういう。





そんな父が怖いけど、私は憎めない。嫌いになれないんだ。

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