第27話

私を睨む父は怖くて、私も震えそうだった。





「お父さん、何かあった?」




そう聞くと、テレビに向かってお酒を投げつけた。




もう壊れているテレビをそんなに痛めつけなくてもいいのにと思ったけど、いうのはやめた。





お父さんが怒っている理由は想像ができた。





カレンダーを見ると、担当さんがくる日ということがわかった。




きっと、ダメ出しをされたのだろう。




父は、自分の書いたものにダメ出しをされたり、自分のペースを崩されるのを嫌う。





作品は一般受けをしないため、売れない。






担当さんは、きっと正論を言うのだろう。





でも、頑なに自分のやり方を変えない父は、こうやって物に当たる。




多分、テレビを見ていた茉莉花や春樹を見て、楽しそうにしているのが気に食わなかったのだろう。

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