第9話

「だから、これなんやねん?なんでお前と漫才せなあかんねん」


「なんでですかね?」


「知らんわ!知らんわ!知らんわ!」


「あっ、繰り返しのギャグですね」


「うるさい、説明するな!それは一番やったらあかんねん・・・」


「師匠、漫才やりはったらどうですか、まあまあ面白いんで・・・」


「まあまあ?なんで上から目線?」


「下師匠、まだ歌に未練があるんですか?まあまあ歌上手いですもんね」


「下師匠?まあまあ?だからなんで上から目線やねん・・・」


「素人にこんなん言われたら芸人として終わりですね(笑)」


「分かってたら言うな、でかっこ笑いかっことじるとかいちいち口にだして言うことちゃうねん」


「(ToT)」


「かっこ大文字ティー小文字オー大文字ティーかっことじるって口で言われても分からんわ、器用な頭しとるなぁ、書くもんくれ」


「どうぞ」


「何の顔やねんこれ、どういう感情やねん?」


「ムォームの時の顔です」


「モーン?何やそれ?」


「いやムォームの時の顔です」


「だからムォームってなんやねん?」


「ベテラン芸人が芸人として終わった時の顔です」


「まだ終わってない!」

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