第27話

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「西田さん、どういうつもりですか?あんな許可…、無理なの分かってますよね?」



とある部屋。その中には二人の男。

1人は西田と呼ばれる50歳を超えるであろう男性。2人ともスーツを着、そういった雰囲気を漂わせていた。



「あいつは頑固だから、父親に似て。俺が無理だって言ってもな。だからこそ知り合いじゃない第三者のお前から言われた方がいい」


「勘弁してください…ワザと俺を使ったってことですか?」


「そういう事になるな」



眉を寄せる、もう1人の男は、「ほんと、甘いんですよ。西田さんもあの人も」と、不服そうだった。



「あいつ、あのガキ。前も女のためにマンション借りて助けようとして。また同じことしようとしてるんですよ。売るまでそばにって…情が移る…」


「ああ…」


「自分の女になれなかった…、代わりにでもするつもりかもしれませんけど」


「代わりというか、七渡の血だろうな」


「…血?」


「3世代に渡って、泣いてる女を好きになるんだよ。いい意味で」




ふ、と、西田と呼ばれた男は笑う。



「……よく分かりませんね、女は…泣いてるより笑ってる方がいいに決まってる」


「そう、だからこそ、泣いてる女を自分の手で笑わせたいって思うんだよ」


「……だったら尚更、会わせない方が良かったのでは? 売られる女に…」


「…」


「…どっちも不幸にさせる」


「お前も、優しいな」


「……」


「いつも情を持って、女を売るのにな」


「情なんか…」


「前の女の面影見てるのは、お前だ」


「俺は従ってるだけです、あの人の命令を。商品に〝傷はつけない〟っていうやり方を」


「…けど、目が見えなくなった。それはお前の失態だ」


「…分かってます」


「ならいい」



話が終わり、部屋を出ていこうとする若い男。そんな男は、ドアノブにふれ…



「もし、」



ようとしたとき、西田という男に振り返る。




「もし、2人が本気になったらどうします?許します?」



そんな言葉に、西田は笑う。「許すも何も、そうはならない」と。

そう断言する西田に、若い男の眉が寄せられる。



「ユウリ坊ちゃんの父親が、許さないからな」



西田の言葉に納得した男は、「…そうですね」と言い残し、部屋を出た。

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