第29話
オープン前だからまだお客さんはいなくて、多分、あと30分ぐらいすればオープンすると思う。だからまだ大駕と二人っきりで。
「あああ、暇あ」
私はそう言いながら、吹き終わった布を流し台で洗った。
「溜まり場行ってこいよ」
溜まり場とは、暴走族の溜まり場の事で。
「それなら大駕んとこの方がいい」
「最近行ってねぇの?」
「うん」
「なんで?」
なんでって⋯
「喋るとしたら湊ぐらいだし⋯。仲良かった人たち、みんな引退したから」
「湊いるなら行けばいいんじゃねぇのか?」
「バイクばっかだもん。邪魔んなっちゃうよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます