第31話
「あんた⋯、なんで教師になったの?」
と、矢島君が声を出した時には、私が喋り終わってからもう10分程が経過していて。
「え?」
「⋯すげぇめんどくせぇだろ、教師とか」
「ああ、うん、めんどくさい」
私は笑って言った。そうすると、矢島君はやっと私の方を見くれて。
「自分自身でも向いてないって思う。この前、矢島君をホテル街で見かけたって言ったでしょ?」
「⋯」
「補導して、お家の方連絡して、問題を起こすことがめんどくさかった。私の時間が無くなっちゃうって。矢島君の言う通りよ、なんで時間外で働かないといけないのって思って、あの時スルーした」
「⋯」
「この仕事、何回もやめようとしたの」
「⋯」
「でも、やめられないのよね」
「⋯」
「やっぱり、夢を叶えるまで、自分の中で願望があるのかも」
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