第8話

これだけの人がいれば、

私は私でいられると思ったから。




「あ」


参考書も買い、もう何もすることが無かったから家に帰ろうと繁華街から駅の方へと向かっている最中だった。


前から歩いてくる柄の悪い集団が、私の顔を見た瞬間「あ」と声を漏らした。


3〜4人ほどの、清光高校の制服を着た人たち。



暴走族の総長をしている聖くんが通っている高校よりも、清光高校はヤバイと言われるぐらい、とんでもない噂が流れている高校名。



なに···?



不意に怖くなり、私は集団を避けてはしの方へよろうとした。



けれども寄れなかったのは、その集団の1人が私の腕を痛いぐらいに掴んだからで。

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