第31話

「おばあちゃんが話しているのを聞いてて」


「縁さんが?そうなの、私昔から縁さんとは仲良いのよ」


「そうなんですね」


「そうだ、これ、渡してて貰える?」


「え?」


満子さんの手には、何かが入ったビニール袋があった。半透明ではなく、白い袋なので何が入っているか分からない。



「縁さん、留守みたいだから」


留守?



「あ、はい」


満子さんの手からビニール袋を受け取ると、満子さんは「縁さんによろしくね」とにこにこと笑い、隣の家へと帰っていった。



その家の表札には、「橋本」と書かれてあった。

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